随分、間があいてしまいましたが・・クルーズで行った島のご紹介をしています。

3泊4日のクルーズ船の寄港地で、一番長く滞在できるのは、ロドス島です。早朝から夕刻まで、ほぼ丸1日あるのですが、遺跡、博物館、旧市街と新市街、ビーチなど、見所が多いので、どれを優先するか迷うところです。ロドス島は、東エーゲ海に浮かぶドデカニサ諸島最大の島で、ミコノス島やサントリーニ島と並び、年間80万人以上の観光客が押し寄せる人気のリゾート地です。トルコや小アジアに近いという地理的条件があったため、古代から侵入者が入り乱れる波乱万丈の歴史を繰り返してきました。そのために、歴史的に重要かつ興味深い建築物も多く、ユネスコの世界遺産にも指定されています。美しいビーチはもちろん、歴史と自然とを、両方を満喫できる貴重な場所となっています。


島の中心部はロドス・タウンと呼ばれますが、中世の街並をそのまま残した城壁に囲まれた旧市街と、近代的なホテルや瀟洒なカジノが並び、ビーチリゾートの雰囲気を満喫できる新市街とに分かれています。新市街の港に立つ鹿の像は、ロドス島のシンボルともなっています。
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港からすぐの旧市街は、まず、その城壁の重々しさに圧倒されます。というのも、ロドス島は、昔ヨハネ騎士団の軍事拠点だったからです。ヨハネ騎士団とは、中世の時代に、聖地エルサレムへの参拝者を保護するために作られた宗教的・軍事的な団体です。騎士団が13世紀にトルコ軍により聖地から追われた後、移り住み、軍事拠点として選んだ土地がこのロドス島です。要するに、対トルコの軍事基地だったわけですから、その堅牢な要塞の雰囲気がそこかしこに残っているわけです。それにしても、城壁の窓から見える海は、一幅の絵ですね。
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歴史的な見所は、やはり城壁に囲まれた旧市街。旧市街に入るには、重厚な門がいくつもあります。
旧市街の見所はたくさんありますが、まず見逃せないのが騎士団長(グランドマスター)の宮殿です。
当時、聖ヨハネ騎士団の歴代団長が居住していた宮殿ですが、要塞としても使用されたため、外壁には銃を撃つ小窓が作られています。
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1856年の火薬倉庫爆発によって崩壊したものの、ムッソリーニなどの夏季別荘としてイタリア人によって再建されたものが現在にまで残っています。外観は、オリジナルにできるだけ忠実に再現され、中庭を囲む四角い要塞のような形。内装は、再建当時の贅を尽くしたものになっており、海外の宮殿から集められた家具や調度品、ヘレニズム期、ローマ時代のモザイクの床(ライオン狩りの場面が有名)など、どれも見応えがあります。


この宮殿の隣の通りが、中世にタイムトリップしたような気にさせる、ちょっと暗くて圧迫感のある騎士団(イポトン)通りです。
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当時のヨハネ騎士団は、出身地によって7つのグループに分けられており、それぞれの語族(プロヴァンス語族、スペイン語族、フランス語族、イタリア語族等)がこの通り沿いにそれぞれの「館」を所有していました。この「館」は15―6世紀のゴシック様式の建築で、石畳の道を歩いていくと、中世の騎士の姿が飛び出してきそう気になります。
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そして、この通りの最後が、当時は騎士団の病院だった建物。現在は島からの出土品を集めた考古学博物館となっていて、先史時代やミケーネ時代の土器、アルカイック期やヘレニズム・ローマ時代の彫刻など、優れた芸術品を鑑賞することができます。髪を持ち上げた姿の優美な「ロドス島のアフロディーテ」像は必見です。


時間があれば、古代都市の一つであるリンドス観光もお勧めです。ロドス・タウンから南に50キロほど離れた場所、車輌進入禁止になっているこの小高い丘の上に、リンドスのアクロポリスの遺跡があります。夏場に徒歩で上るにはちょっときついですが、ロバのタクシーも良い思い出になりますし、頂上からの眺めは最高!エメラルドグリーンの海の色は、息をのむほどに美しいです。このアクロポリスには、当時アテナ女神に捧げられた神殿があり、ドーリス式の円柱や台座がその名残として残っています。現在ある神殿は紀元前4世紀のもので、当時、中には金と象牙で作られたアテナ像が祀られていたそうです。
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ロドス島も、クルーズで1日立ち寄るだけでなく、是非、時間をかけてまた訪れたい場所です。

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