ギリシャ中で大変なことが起こっています。

 

6日の夜、アテネ中心部で、15歳の少年が警察官の威嚇射撃の犠牲となって死亡するという悲惨な事件がありました。この事件がきっかけとなって各地で暴動が起こり、警察当局や政府に対する抗議活動として、怒った若者達やアナーキストがギリシャ中で大暴れしています。

 

銀行、店舗、警察署、政府機関、駐車してある車などを無作為に破壊、放火するなどの蛮行は、目を覆いたくなるものがあります。

 

この暴動は、アテネ市内だけでなく、テッサロニキ、パトラ、クレタ島などの島でも起こっていて、その損害ははかりしれないものがあります。きのうの夜も大変な騒動で、点火式が予定されていたシンタグマ広場のクリスマスツリーも放火で黒こげになってしまったし、横転された車、破壊され尽くした市内の様子をテレビで見るに付け、行き場のない怒りと哀しみを感じます。

 

確かに、少年が警察官のミスによって死亡したことには憤怒を覚えるけれど、どうしてその事件が、こんなに国や一般市民の生活を破壊するような大事になってしまうのでしょう。それも、戦争などではなく、自分や家族・友人が住んでいる国で、罪のない一般市民の財産まで破壊するという行為がどうしても理解できません。この暴動にまぎれて、破壊された店舗や銀行では、当然、金品を強奪して漁夫の利を得る輩もいるわけで、職を失う人たち、観光に与える打撃、市民の生活に対する影響を考えると、暗澹とした気持ちになります。

 

暴動が広がった背景には、警察の姿勢もあるようです。この暴動を抑えるために、また警察によって一般市民に死傷者が出ると、事態は更に悪化するとの考えから、警察も及び腰になって、アナーキスト達も、それを逆手にとって、調子に乗っているのでしょう。

 

大学や中・高校の先生達も抗議ストをすることになったし、明日はゼネスト・・・混乱が早く収まることを願うばかりです。山火事の時も、暗澹とした気持ちになりましたが、今回の暴動は、もっと精神的打撃が大きいです。何も被害を受けていない私でもこうなのですから、実際に物的被害を受けた市民の方の心中を考えると・・・

 

ギリシャにいると、日本では考えられないことが良く起こります。まだまだ、日本人の狭い世界観の中にいる証拠ですね・・

心配して、メールや電話を下さった方、ありがとうございます。昼間は暴徒達も陰をひそめていますし、とりあえず、私たちは、大丈夫です。

 

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