バドミントンシアターに行って来ました。

 

変な名前の劇場ですよね?今まで知りませんでしたが、2004年のアテネオリンピックの時に、バドミントンの試合会場になったところを改造して、最新鋭の大型劇場に生まれ変わらせたものだそうです。地下鉄のカテハキ駅から徒歩15分くらいですが、なんとも変な場所。入り口が暗い公園の奥にあって、探すのに一苦労・・・まわりに人も全然いなくて、なんだか不気味でした。

でも会場に着くと、どこからこんなに人が集まったのかと思うほど満員で・・・きっと皆車で来るのでしょうね。

 badtheater

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

肝心の舞台は・・・フラメンコのクリスティーナ・オヨスです!!!!実は、私はギリシャに来る前、日本で10年ほどフラメンコにはまっていた時期がありました。アントニオ・ガデスというバイラオール(男性舞踊家)の舞台を見て、鳥肌が立つほど感動してそのアイレ(気)に感染し、踊りを習い始めてしまったのです。彼のことを書くと、また長くなるのやめますが、カルロス・サウラ監督のガデスのビデオ(DVD)「カルメン」はいつ見てもいいですよーーーーーーー。オヨスやギターのパコ・デ・ルシアも出てるし、フラメンコ好きでなくても、お勧めです。もう、カッコ良過ぎて泣いちゃいます。だから、ガデスが癌で亡くなった時はショックでした・・・

 

今回見たクリスティーナ・オヨスは、ガデスの相手役を20年も務めた有名なバイラオーラ(女性舞踊家)で、深遠な踊りと優雅なブラソ(腕と手の動き)、細やかな心情表現のうまいスペインが誇るフラメンコの大御所です。

 

今回のタイトルは「南への旅」ですが、1)人生の歓喜、光 2)悲劇、苦しみ 3)愛、情熱という3場面で、旅をテーマにしたストーリー風に仕立て、踊りで表現していました。オヨス自身の語りも入りましたが、何年も習ったスペイン語は全く役に立たず(涙)、「人生にありがとう」という素晴らしいカンテ(歌)の中の表現だけが耳に残りました。

 

歓喜の場面では私の最初に習った思い出の曲、陽気なアレグリアス、悲劇の場面では孤独を表現する重いソレア、反復する切ないリズムのシギリージャ、愛と情熱の場面では軽快で粋なブレリア・・など、私の費やした若き日々の楽しくも辛い思い出が走馬灯のように蘇り、切ない気分になったり・・・条件反射のように、自然と足でリズムをとる状態になったり。

hoyos

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フラメンコは、あの女性の踊りのイメージが強いと思いますが、実は、あの魂の底から搾り出すようなかすれ声の歌(カンテ)が!繊細な心の動きまで表現するギターが!切れのいい踊りとサパテアード(足で踏みならすリズム)と飛び散る汗で魅せるバイラオール(男性舞踊家)が!いいんです。そして、そのチーム全体の一体感が!踊り手を盛り上げるパルマ(手拍子)や掛け声、踊り手の足が刻みだすリズムをとらえるように、必死で見つめるギタリストの視線。そして、歌舞伎の見せ場のように、フラメンコでも、「これでどうだ!」といわんばかりのサパテアードの見せ場や、テンポを上げながら高揚していき、最後にはじけて静止する瞬間があるのです。・・・そして、観客の大喝采・・・いいんだなあ、この雰囲気が。

 

60歳を過ぎ、乳がんと闘病しながら舞踊家を続けてきたオヨスは、往年の切れや技術はもう望めないけれど、あの存在感と手指の動きの美しさといったら、息をのむ位すごかったです。また、男性、女性、7人ずつの若い舞踊家たちの群舞も圧巻。陰影のある絵画のようで衣装も構成も照明も美しく、特に男性ばかりの舞踊はオペラグラスをのぞきながら、目移りして、久々に、浮き浮きワクワクしてしまいました(笑)。

 

バレエもフラメンコも好きですが、私にとって、バレエは夢の世界に飛んでいく感じ、フラメンコは、人生の現実をじっくり味わい見つめる感じ。バレエは細い体で体重を感じさせず、苦しくても笑顔で、音もたてずに現実離れして舞う感じ。フラメンコは肉感的で、どっしり日常に腰をすえ、体中で音を出しながら、人生の喜びや悲しみを素顔で表現する感じ。どちらも魅力的です。

 

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