2007年07月07日

アテネフェスティバル で芸術に浸る

先日、アテネフェスティバルに行ってきました。
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今回見たプログラムは、シルヴィ ギエムとアクラム カーンという踊り手による創作バレエ、「Sacred Monsters」。ギリシャの夏の祭典、アテネフェスティバルでは、毎年世界中から有名なアーティストやオーケストラが招聘されるので楽しみ。場所は、アクロポリスの見える野外劇場である、2世紀に建設された遺跡、ヘロデ ィス アティコス音楽堂です。

人々は、場外の広場で飲み物を片手に、開演を待っています。後方に見えるアクロポリスも、暗くなるとともにライトアップされて、雰囲気は最高。群青色の空にパルテノン神殿の白い大理石が映えて、幻想的です。アーチ型の窓がある壁は、典型的なローマ時代の建築様式です。今は屋根がないのですが、当時は劇場は屋根付きで、この窓が明かり取りとして機能していたそうです。
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この日もちょうど満月で、正面上方にのぼっていくオレンジ色の月を眺めながら、風を感じながらの鑑賞です。客席は満員。チケットは開演日の3週間前から発売ですが、良い席のチケットは発売直後にすぐ売り切れて、自由席のチケットをなんとか手に入れました。半円形で階段状になった半分から上の席は自由席で、真ん中の良いところからうまっていくので、早目に行くことが大切です。私の座った端っこは、舞台装置の関係で、ダンサーが全然見えない瞬間が多々ありましたから。また、夜が深まるに連れて風が出て寒くなったりすることがあるので、上着も用意しておいた方が良いかもしれません。それから、オペラグラスも必須アイテムですね。表情の細部、手の指の先まで繊細な表情を堪能できます。

この舞台ですが、衣装やセットが日本人ということもあってか、なんだか「禅」を感じさせるようなミニマムな空間。白い皺を寄せた布を半円形に張った背景のセットと、モノトーンの胴衣のようなシンプルな衣装。前衛的でアンニュイなバイオリンと打楽器による音楽と、魂の叫びのような歌。そして、同じ人間の肉体とは思えない、このダンサーのしなやかな肉体と表現力。シルヴィーギエムの、柳のようにたおやかで、鋼のように強い肉体は変幻自在で、全くどんな形でも感情でも、指や手や足や、体の細部の動きで表現できてしまうのですね。相方のカーンとの絡みも目を離せず、ところどころにせりふやジョークを入れて観客を飽きさせません。踊りもとても自由な感じの構成で、途中で、白いタオルをもってきて自分で床の汗をふいたり、水を自由に飲んだり、練習中のように、途中で髪を自分で三編みにまとめたり、カーンと雑談をしたり・・・と存在と行動のすべてが自然で、なんだか格好いい!のです。休憩なしの1時間半、一気に観衆を魅了しました。

シルヴィ ギエム(パリ生まれ、現代バレエ界の逸材、体操からバレエに転向、パリオペラ座バレエ団、英ロイヤルバレエ団などで活躍。栄誉賞多数。コンテンポラリーダンスでも活躍。日本文化にも造詣が深い。)

アクラム カーン(ロンドン生まれ、バングラデシュ系イギリス人の気鋭のダンサー、振付師)

今年は、ヘロデ ィス アティコス音楽堂でのプログラムは、7月中で終了のようです。アテネからちょっと遠いですが、時間があれば、エピダヴロスフェスティバルもお勧めです。エピダヴロスの古代円形劇場は周囲の自然も美しく、ここで行われるギリシャ喜劇、悲劇などの鑑賞も、ギリシャの自然、伝統、歴史をひしひしと感じられる貴重な体験です。

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この記事へのコメント

1. Posted by あいちゃん    2007年07月08日 05:22
 私の夫の所属するアテネ国立オーケストラもこないだと、今度の月曜日、イロディオでコンサートです。でも、2回とも、マリア カラス記念のイベントで歌ばっかりです。しかも今度の月曜日なんか、すべてギリシャ語で歌われるらしい....。あまりこれは期待できませんが、一応聴きに行ってみます。
2. Posted by londoner    2007年07月08日 05:25
野外劇場がうらやましい…イギリスの人だけど知らなかったので、アクラム・カーンのサイトを見たら、この舞台はロンドンでは去年の秋にやってたのでした。見逃しました。今は各国巡業中みたいで、ロンドンでの公演(別の演目)は10月だそうな。行ってみようかな。
3. Posted by kiyomulan    2007年07月08日 15:26
あいちゃん
この劇場って、カタカナで書くときいつも迷うんですよ。やっぱりイロディオかなあ?日本語のガイドブックや地図によって、ほとんどすべて表記が微妙に違うのよね・・・
旦那さんの関係で、たくさんコンサートに行けるのでしょうね。うらやましいです!冷えないように気をつけてください!

londoner様
お膝元ではもう、そんな昔に上演していたのですね。私は、シルヴィ ギエムが見たくて行ったのだけど、カーンが振付と踊りもやっているから、あれは彼の世界なんだろうな・・・
野外劇場はなくても、ロンドンでは、良く公園(ハイドパーク?)でコンサートやっているではないですか!
4. Posted by londoner    2007年07月08日 18:15
そう、夏になるとイギリスでも野外イベントはいろいろあるけど…傘持参、泥だらけ覚悟なんだもん…そういえば、以前ロンドンの青天井のシェイクスピア劇場に一緒にいったよね。その時も私は雨合羽姿で立ち見してたような気が。…と天気の愚痴のつきないロンドンも、この週末は久々の晴れで気持ちいいんですけど、長くは続かないそうな。

ギリシャ劇場の歴史を感じさせる風格は、やっぱ特別でしょう。天気も保証されてるし。エピダウロスに連れていってくれてありがとう。ギリシャ語の一言もわからない私にも、感動の舞台でしたね。
5. Posted by kiyomulan    2007年07月09日 00:48
londoner様
あのシェークスピア劇場は、ロンドンでは画期的なんだろうけれど、あの天気の悪さでは、中の手入れも大変よね。その節は、私だけ座っててすみません。

エピダヴロスは、こちらこそつきあってくれてありがとう。遠くて大変だから、やっぱり興味のある人でないと誘えないので、一緒に行ってくれて良かったです!私も、全然わからなかったけど(苦笑)、楽しめました。
6. Posted by ryuji_s1    2007年07月09日 12:56
ギリシャのアテネ アクアポリスでの劇
素晴らしいでしょうね
古代遺跡を見ながら
7. Posted by kiyomulan    2007年07月09日 23:19
ryuji_s1様
そうですね。世界遺産の遺跡を眺めながらなんて、贅沢なシチュエーションですよね。アーティストの人も、この希有な環境で、新しいインスピレーションを得たりするかもしれないと思います。
8. Posted by azusa    2007年07月12日 11:38
こんにちは。バレエの発表会の写真、とてもかわいかったです。妖精みたいな姿が目に浮かぶようです☆私の地元では、今度の3連休、バレエ発表会のラッシュです。私も知り合いの教室のお手伝いに行きますが、先日のリハーサルで子どもたちのパワーにヘトヘト・・・。一番下は4歳でしたが、自己主張がすごい!他の子の衣装が気になったり・・・小さいながらも女性ですよね。感心してしまいました。
 昨年も、ヘロディス アティコス音楽堂だと思いますが、ギエムの公演ポスターが貼ってありました!滞在中の公演ではなかったためポスターの写真だけ撮りました。いつか、古代円形劇場でバレエを観たい!踊りたい(?)☆私の夢です☆
9. Posted by kiyomulan    2007年07月12日 14:23
azusa様
こんにちは。子供のパワーってすごいですよねー。
私はいつも、パワーを吸い取られてばかりです(笑)。やっぱり、小さくても女の子、人の衣装がかわいかったりすると、嫉妬するんですよね。私も昔バレエをやったことがありますが、背が高かったので男役をやらされたりして、泣きたい思いでしたよ。

ギエムは、とっても素敵でカッコよかったです!azusaさんもぜひいつか!
10. Posted by サチ    2008年01月10日 12:15
再度、失礼します♪
この劇場ですね!
もっと間近でないと、チケットの予約をしないのでしょうか

なにしろ、パスポートをもっていない井戸の蛙のオバサンで、
汗をかきかき資料を集め中です。
こちらの記事、とっても参考になりました!
ありがとうございます。

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