先日、アテネフェスティバルに行ってきました。
今回見たプログラムは、シルヴィ ギエムとアクラム カーンという踊り手による創作バレエ、「Sacred Monsters」。ギリシャの夏の祭典、アテネフェスティバルでは、毎年世界中から有名なアーティストやオーケストラが招聘されるので楽しみ。場所は、アクロポリスの見える野外劇場である、2世紀に建設された遺跡、ヘロデ ィス アティコス音楽堂です。
人々は、場外の広場で飲み物を片手に、開演を待っています。後方に見えるアクロポリスも、暗くなるとともにライトアップされて、雰囲気は最高。群青色の空にパルテノン神殿の白い大理石が映えて、幻想的です。アーチ型の窓がある壁は、典型的なローマ時代の建築様式です。今は屋根がないのですが、当時は劇場は屋根付きで、この窓が明かり取りとして機能していたそうです。
この日もちょうど満月で、正面上方にのぼっていくオレンジ色の月を眺めながら、風を感じながらの鑑賞です。客席は満員。チケットは開演日の3週間前から発売ですが、良い席のチケットは発売直後にすぐ売り切れて、自由席のチケットをなんとか手に入れました。半円形で階段状になった半分から上の席は自由席で、真ん中の良いところからうまっていくので、早目に行くことが大切です。私の座った端っこは、舞台装置の関係で、ダンサーが全然見えない瞬間が多々ありましたから。また、夜が深まるに連れて風が出て寒くなったりすることがあるので、上着も用意しておいた方が良いかもしれません。それから、オペラグラスも必須アイテムですね。表情の細部、手の指の先まで繊細な表情を堪能できます。
この舞台ですが、衣装やセットが日本人ということもあってか、なんだか「禅」を感じさせるようなミニマムな空間。白い皺を寄せた布を半円形に張った背景のセットと、モノトーンの胴衣のようなシンプルな衣装。前衛的でアンニュイなバイオリンと打楽器による音楽と、魂の叫びのような歌。そして、同じ人間の肉体とは思えない、このダンサーのしなやかな肉体と表現力。シルヴィーギエムの、柳のようにたおやかで、鋼のように強い肉体は変幻自在で、全くどんな形でも感情でも、指や手や足や、体の細部の動きで表現できてしまうのですね。相方のカーンとの絡みも目を離せず、ところどころにせりふやジョークを入れて観客を飽きさせません。踊りもとても自由な感じの構成で、途中で、白いタオルをもってきて自分で床の汗をふいたり、水を自由に飲んだり、練習中のように、途中で髪を自分で三編みにまとめたり、カーンと雑談をしたり・・・と存在と行動のすべてが自然で、なんだか格好いい!のです。休憩なしの1時間半、一気に観衆を魅了しました。
シルヴィ ギエム(パリ生まれ、現代バレエ界の逸材、体操からバレエに転向、パリオペラ座バレエ団、英ロイヤルバレエ団などで活躍。栄誉賞多数。コンテンポラリーダンスでも活躍。日本文化にも造詣が深い。)
アクラム カーン(ロンドン生まれ、バングラデシュ系イギリス人の気鋭のダンサー、振付師)
今年は、ヘロデ ィス アティコス音楽堂でのプログラムは、7月中で終了のようです。アテネからちょっと遠いですが、時間があれば、エピダヴロスフェスティバルもお勧めです。エピダヴロスの古代円形劇場は周囲の自然も美しく、ここで行われるギリシャ喜劇、悲劇などの鑑賞も、ギリシャの自然、伝統、歴史をひしひしと感じられる貴重な体験です。
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今回見たプログラムは、シルヴィ ギエムとアクラム カーンという踊り手による創作バレエ、「Sacred Monsters」。ギリシャの夏の祭典、アテネフェスティバルでは、毎年世界中から有名なアーティストやオーケストラが招聘されるので楽しみ。場所は、アクロポリスの見える野外劇場である、2世紀に建設された遺跡、ヘロデ ィス アティコス音楽堂です。
人々は、場外の広場で飲み物を片手に、開演を待っています。後方に見えるアクロポリスも、暗くなるとともにライトアップされて、雰囲気は最高。群青色の空にパルテノン神殿の白い大理石が映えて、幻想的です。アーチ型の窓がある壁は、典型的なローマ時代の建築様式です。今は屋根がないのですが、当時は劇場は屋根付きで、この窓が明かり取りとして機能していたそうです。
この日もちょうど満月で、正面上方にのぼっていくオレンジ色の月を眺めながら、風を感じながらの鑑賞です。客席は満員。チケットは開演日の3週間前から発売ですが、良い席のチケットは発売直後にすぐ売り切れて、自由席のチケットをなんとか手に入れました。半円形で階段状になった半分から上の席は自由席で、真ん中の良いところからうまっていくので、早目に行くことが大切です。私の座った端っこは、舞台装置の関係で、ダンサーが全然見えない瞬間が多々ありましたから。また、夜が深まるに連れて風が出て寒くなったりすることがあるので、上着も用意しておいた方が良いかもしれません。それから、オペラグラスも必須アイテムですね。表情の細部、手の指の先まで繊細な表情を堪能できます。
この舞台ですが、衣装やセットが日本人ということもあってか、なんだか「禅」を感じさせるようなミニマムな空間。白い皺を寄せた布を半円形に張った背景のセットと、モノトーンの胴衣のようなシンプルな衣装。前衛的でアンニュイなバイオリンと打楽器による音楽と、魂の叫びのような歌。そして、同じ人間の肉体とは思えない、このダンサーのしなやかな肉体と表現力。シルヴィーギエムの、柳のようにたおやかで、鋼のように強い肉体は変幻自在で、全くどんな形でも感情でも、指や手や足や、体の細部の動きで表現できてしまうのですね。相方のカーンとの絡みも目を離せず、ところどころにせりふやジョークを入れて観客を飽きさせません。踊りもとても自由な感じの構成で、途中で、白いタオルをもってきて自分で床の汗をふいたり、水を自由に飲んだり、練習中のように、途中で髪を自分で三編みにまとめたり、カーンと雑談をしたり・・・と存在と行動のすべてが自然で、なんだか格好いい!のです。休憩なしの1時間半、一気に観衆を魅了しました。
シルヴィ ギエム(パリ生まれ、現代バレエ界の逸材、体操からバレエに転向、パリオペラ座バレエ団、英ロイヤルバレエ団などで活躍。栄誉賞多数。コンテンポラリーダンスでも活躍。日本文化にも造詣が深い。)
アクラム カーン(ロンドン生まれ、バングラデシュ系イギリス人の気鋭のダンサー、振付師)
今年は、ヘロデ ィス アティコス音楽堂でのプログラムは、7月中で終了のようです。アテネからちょっと遠いですが、時間があれば、エピダヴロスフェスティバルもお勧めです。エピダヴロスの古代円形劇場は周囲の自然も美しく、ここで行われるギリシャ喜劇、悲劇などの鑑賞も、ギリシャの自然、伝統、歴史をひしひしと感じられる貴重な体験です。
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