2006年11月19日
ギリシャ妊娠・出産体験記 7)長女出産(その2)
ギリシャ妊娠・出産体験記の7回目です。
今日は、きのうの続きで、いよいよ、出産です!
無痛分娩・・・それは、本当に都合が良く、ありがたきもの。脊椎のまわりにある硬膜外腔というすきまに、背中から硬膜外麻酔を打ち、下半身麻酔で出産する方法だ。打って数分で下半身がジーンとしびれてくるが、陣痛が来て子宮が収縮し、固くなる感じは十分、分かる。その波に合わせて、いきみの波乗りサーフィンが始まる!
そのいきみ方法がすごい。陣痛室では、ベッド(最初は簡易ベッド)の両側にいる助産婦の腰に足を押しつけて、助産婦を思いっきり蹴りながらいきむのだ。助産婦の檄の飛ばし方がまたすごい。波が来るたびに、「今よ!」「もっと、もっと!」「やめないで!」「下に下に!」と大声で叱咤激励されながら頑張るのだが、前日夜から何も食べてないし、下半身はなんとなくしびれているし、力が入らない。息を止めていきむので、顔の血管が破裂しそうな感じがする。麻酔が切れ始めると、逐次足してくれるしくみになっているのでありがたい・・・
それにしても、こんな壮絶なこと、麻酔なしでやるなんて信じられない。陣痛の合間に待っている間も、血や汚物が垂れ流しになっている感じが分かって心配になる。こんなに出血して大丈夫かなあと。
入院したのが朝9時前、結局、いきんで、いきんで・・・やっと午後2時頃に赤ちゃんの頭が見えてから、分娩室に移された。助産婦から「髪の毛が黒いわよ!」と言われる。陣痛室では診察時以外は夫同伴OK。分娩に立ち会うのはいやだと言っていた旦那も、「旦那さん、こっち、こっち!」と呼ばれるがままに、成り行きで分娩室に連れ込まれてしまった。あらら、卒倒しないといいけれど・・この私立I病院では、ビデオも撮っていいことになっていたが(公立は不可だった)、旦那は持ってきたビデオをどこかに預けてしまっていて、撮れなかったのが今思えば残念。
分娩室は煌々とライトがともったスタジオの様。光が無機質な機械類に反射してまぶしい。ここで、いきみやすいハンドルや足置きがある分娩台に乗せられ(やっぱりいきみやすいわー!)、陣痛波乗りサーフィン(いきみ)を何度も続けながら、だんだん胎児が下に降りて来る。一回の波が過ぎて、赤ちゃんが出てこないと、一同ちょっとがっかりした雰囲気になって、次の陣痛の波を待つ。その間、結構自由な雑談・・・
初産だから、時間がかかる。これを何度続けただろうか。もうダメ・・と力尽きそうになった時、はさみで会陰(出口のところ)をチョキンと切る音がして、にゅるりという感触で赤ちゃんが出てきた!おぎゃーと2回ほど泣いて、股の間から、医者が赤ちゃんを上の方にかかげ、私に見せてくれた。無我夢中であまり覚えていないのだが、私とつながっていた臍の緒がやけに太くて紫色で、縄のようだったのが印象に残っている。感動の涙か・・・と想像していたが、そのときは、やっと終わった、無事に生まれてホッとしたという気持ちが強かった。数分後に胎盤排出、そして、切った会陰をチクチクと縫合した。でも、無痛分娩のお陰で、全然痛くない!良かったーーー!本当に画期的だわ!
助産婦が、「手足が大きいから、大きくなるわね!」とか「目がお母さんそっくり。キネザキ(中国人の女の子)だわ」とか、勝手なことを言っている。(アジア人は、皆、中国人にされてしまう・・)
陣痛から約16時間、体重3.5キロ、身長50センチの女の子の誕生であった。ざっと洗ったあと、赤ちゃんを胸の上にのせてくれたが、ずっしりと重い。こんなものを良く毎日持ち歩いたなあと不思議に思う。あとで、排出された胎盤も見せてもらったが、結構大きいレバーのような、赤黒くてグロテスクな代物だが、今まで赤ちゃんを守ってくれた大切なもの、ご苦労様という感謝の気持ちだった。
その後、2時間くらい出血の様子を見るために、出産を終えた妊婦たちの待機室に移されたが・・・それがなんと20人くらいの大部屋(タコ部屋?)で。ここでも、プライバシーはゼロ。診察も丸見え!本当に大量生産工場だ。皆、病室に移されるのが遅れて文句を言っている。きっと夏でスタッフが足りないのだろうな・・・私は、今までの痛みが嘘のように楽になってルンルン。早く、赤ちゃんと旦那に会いたいなー、と思っていた。
あとで、医者や助産婦に「シネルガティキ(協力的)」で良い妊婦だったと褒められた!ギリシャ人妊婦だとこうはいかない・・のだそうだ。ふーーん、ギリシャ人妊婦は協力的じゃないのか、なるほど。妙に納得。
とにかく、こんな感じで、異国での不安な長女の出産は無事に終えられて、こんなノーテンキに回想録など書いていられる現在に感謝です!
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この記事へのコメント
旦那さま、出産シーンは平気でしたか?
うちの夫はDVDカムなんぞを持ち込んで、助産師さんとお医者さんの和み場面とか自分の姿(手術用の緑のコスチューム着用)とか撮影してましたけど...
陣痛室は分娩室のすぐ隣なんですけど、ぎりぎりまで陣痛室で簡易ベッドでいきんでましたねー。
出産シーンは、もちろん頭越しに見てたので、「局部」は見えない位置だったtので、大丈夫だったのだと思います。
salahiさんの旦那さんは、なんだか、楽しんでいらしたようですね!
無痛分娩の話をすると、頭ごなしに否定される方、収縮剤利用と混同される方もいますが、選択肢として用意されていることは大切ですよね。しかも直前まで柔軟に対応してくれる病院の体制はありがたい〜。
出産後のギリシャママ達が元気にサクサクと病院のカフェでお茶をしていた風景を新鮮に感じたことを思い出しました。
子宮収縮剤はまた、量の調節が難しいようで、色々問題あるようですね。まあ、すべて、使い方次第です。
自然分娩、無痛分娩、帝王切開・・・どの方法でも、危険はあるし、医者が判断を誤れば、母子ともに危ないことがあります。私の場合は、自然分娩にしていたら、痛みにパニックになり、お産が進行しなかったかもしれません。
ただ、私は、相当怖がりで痛がりのようなので、「そんなに痛くなかったわよ」「思ったより楽だった」という人もいますので、怖がらせてしまったら悪しからず。ギリシャママ、立ち直りが早いですよー!日本では、産んだその日に普通カフェ行かない・・・ですよね。入院中に夜遊びしてる人もいました。
でも、ギリシャのままたちは、産んだその日に出歩くんですか??無痛分娩だからそんなことが可能なのでしょうか?
そうですね、人それぞれなので、あくまでもご参考に・・
こちらは麻酔医師が別にいて、下半身麻酔も打つわけですが、とにかく件数が多くなれているので安心です。硬膜外麻酔自体がすごく痛いらしいので、その痛みを軽減する小さな麻酔を最初に打ってからやるので、大丈夫ですよ。
産んだその日・・・かどうかは正確には分かりませんが、自分でトイレに行く許可が出たら、あとはもう、本当に自由です。カフェといっても、病院の1階にあるカフェなので、エレベーターですぐですけど、私は、だいたい椅子に座るまでに随分苦労しましたよ。(局部が痛くて)
確かに、無痛分娩だと、体力の消耗が圧倒的に少ないと思うので、育児にすぐ突入するには有利だと思います。
とにかく歩くことで回復が早くなるそうで・・・でもあまりの痛みに看護婦さんが鬼に思えましたね。
産後カフェに行っちゃうなんて体力ありますよね〜
大変でしたねえー。でも、硬膜外麻酔で全身と下半身と、どうやって分けるんでしょうねえ。量の違いだけじゃないですよね。手術後も麻酔してくれるなんて知りませんでした。でも、局部麻酔ですよね?
産後カフェ・・・は驚きでした。でも、みんな、タバコ吸いたいみたいですよ。(笑)


