ギリシャ妊娠・出産体験記の7回目です。

今日は、きのうの続きで、いよいよ、出産です!

 

無痛分娩・・・それは、本当に都合が良く、ありがたきもの。脊椎のまわりにある硬膜外腔というすきまに、背中から硬膜外麻酔を打ち、下半身麻酔で出産する方法だ。打って数分で下半身がジーンとしびれてくるが、陣痛が来て子宮が収縮し、固くなる感じは十分、分かる。その波に合わせて、いきみの波乗りサーフィンが始まる!

 

そのいきみ方法がすごい。陣痛室では、ベッド(最初は簡易ベッド)の両側にいる助産婦の腰に足を押しつけて、助産婦を思いっきり蹴りながらいきむのだ。助産婦の檄の飛ばし方がまたすごい。波が来るたびに、「今よ!」「もっと、もっと!」「やめないで!」「下に下に!」と大声で叱咤激励されながら頑張るのだが、前日夜から何も食べてないし、下半身はなんとなくしびれているし、力が入らない。息を止めていきむので、顔の血管が破裂しそうな感じがする。麻酔が切れ始めると、逐次足してくれるしくみになっているのでありがたい・・・

 

それにしても、こんな壮絶なこと、麻酔なしでやるなんて信じられない。陣痛の合間に待っている間も、血や汚物が垂れ流しになっている感じが分かって心配になる。こんなに出血して大丈夫かなあと。

 

入院したのが朝9時前、結局、いきんで、いきんで・・・やっと午後2時頃に赤ちゃんの頭が見えてから、分娩室に移された。助産婦から「髪の毛が黒いわよ!」と言われる。陣痛室では診察時以外は夫同伴OK。分娩に立ち会うのはいやだと言っていた旦那も、「旦那さん、こっち、こっち!」と呼ばれるがままに、成り行きで分娩室に連れ込まれてしまった。あらら、卒倒しないといいけれど・・この私立I病院では、ビデオも撮っていいことになっていたが(公立は不可だった)、旦那は持ってきたビデオをどこかに預けてしまっていて、撮れなかったのが今思えば残念。

 

分娩室は煌々とライトがともったスタジオの様。光が無機質な機械類に反射してまぶしい。ここで、いきみやすいハンドルや足置きがある分娩台に乗せられ(やっぱりいきみやすいわー!)、陣痛波乗りサーフィン(いきみ)を何度も続けながら、だんだん胎児が下に降りて来る。一回の波が過ぎて、赤ちゃんが出てこないと、一同ちょっとがっかりした雰囲気になって、次の陣痛の波を待つ。その間、結構自由な雑談・・・

 

初産だから、時間がかかる。これを何度続けただろうか。もうダメ・・と力尽きそうになった時、はさみで会陰(出口のところ)をチョキンと切る音がして、にゅるりという感触で赤ちゃんが出てきた!おぎゃーと2回ほど泣いて、股の間から、医者が赤ちゃんを上の方にかかげ、私に見せてくれた。無我夢中であまり覚えていないのだが、私とつながっていた臍の緒がやけに太くて紫色で、縄のようだったのが印象に残っている。感動の涙か・・・と想像していたが、そのときは、やっと終わった、無事に生まれてホッとしたという気持ちが強かった。数分後に胎盤排出、そして、切った会陰をチクチクと縫合した。でも、無痛分娩のお陰で、全然痛くない!良かったーーー!本当に画期的だわ!

 

助産婦が、「手足が大きいから、大きくなるわね!」とか「目がお母さんそっくり。キネザキ(中国人の女の子)だわ」とか、勝手なことを言っている。(アジア人は、皆、中国人にされてしまう・・)

 

陣痛から約16時間、体重3.5キロ、身長50センチの女の子の誕生であった。ざっと洗ったあと、赤ちゃんを胸の上にのせてくれたが、ずっしりと重い。こんなものを良く毎日持ち歩いたなあと不思議に思う。あとで、排出された胎盤も見せてもらったが、結構大きいレバーのような、赤黒くてグロテスクな代物だが、今まで赤ちゃんを守ってくれた大切なもの、ご苦労様という感謝の気持ちだった。

 

その後、2時間くらい出血の様子を見るために、出産を終えた妊婦たちの待機室に移されたが・・・それがなんと20人くらいの大部屋(タコ部屋?)で。ここでも、プライバシーはゼロ。診察も丸見え!本当に大量生産工場だ。皆、病室に移されるのが遅れて文句を言っている。きっと夏でスタッフが足りないのだろうな・・・私は、今までの痛みが嘘のように楽になってルンルン。早く、赤ちゃんと旦那に会いたいなー、と思っていた。

 

あとで、医者や助産婦に「シネルガティキ(協力的)」で良い妊婦だったと褒められた!ギリシャ人妊婦だとこうはいかない・・のだそうだ。ふーーん、ギリシャ人妊婦は協力的じゃないのか、なるほど。妙に納得。

 

とにかく、こんな感じで、異国での不安な長女の出産は無事に終えられて、こんなノーテンキに回想録など書いていられる現在に感謝です!

 

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