6月1日からアテネフェスティバル(芸術祭)が始まったので、早速「Orchestra of Colours」と「Peking Opera School」に行ってきました。
アテネフェスティバルはアテネの夏の芸術祭です。色んな場所で行われますが、特に、ヘロド・アティクス音楽堂は、元は2世紀に建築されたアクロポリスの裾野にある野外劇場(当時は屋根があったそうです)で、ギリシャの雰囲気を味わうには最高です。毎年この劇場にバレエや音楽などを鑑賞しに行くのが楽しみです。前に、こちらにも関連記事を書きました。
今年は、8月に修理が入るため、6・7月だけのようです。夕暮れから夜にかけての半円形の階段状になった大理石の劇場で行われる舞台はそのセッティングだけでも十分ドラマティックです。
「Orchestra of Colours」はギリシャのオーケストラで、「1979年のノーベル文学賞受賞のギリシャの詩人、オデッセアス・エリティスを偲んで」というちょっと変ったプログラム。バッハのピアノ連弾のコンチェルトから始まり、ギリシャのヨルゴス・シシリアノス、ヨルゴス・クルポスという著名な作曲家の曲に合わせて、ソプラノとバリトンの歌手がエリティスやサッフォーの詩を朗読、あるいは歌うという形式。曲が現代音楽風で難解、詩の内容もところどころしか理解できなかったため、ちょっと消化不良・・・でした。詩に詳しい人ならば、もっと楽しめたのでしょうね。
これに行ったあとすぐ、今度は「Peking Opera School」のチケットをただで貰ったので、また行ってしまいました。中国の京劇、ちゃんと見たのは初めてでした。初めはあまり興味なかったのですが、行って見たらすっごーーーーく良かったんです、これ。アクロバットのようなショー、剣舞、小話風の演劇、歴史(戦争)をテーマにした演劇、おもしろおかしいコントのような出し物、色々あって最後まで飽きませんでした。それにしても、皆ピョンピョンと良く宙返りすること!同じ人間と思えない器用さ、身軽さにギリシャ人も大喜びの拍手喝采でした。それにしても、あの独特の音楽と発声方法、舞台メークや衣装・・・!!
小さいシンバルのようなジャンジャンとやかましい楽器、なんとも不思議な音がする鳴り物、胡弓の悠久を感じさせる音、頭のてっぺんから声を出すような発声と中国語のリズム、キラキラしい派手な衣装と「これでもかー」のメーク・・・2時間見た後には、その世界にはまりこんでいました。満月の輝くギリシャの野外劇場で京劇・・・おもしろい体験でした。
途中で野鳥の素っとん狂な鳴き声が入って観客が笑い出したり、風で楽譜が飛んでいって出演者が焦ったりするハプニングも野外劇場ならではですね!
(ローマ式建築様式のステージバックと輝く満月)
電話予約:Tel: 210-3272000
チケット売り場:パネピスティミウ39
(月―金 8:30−16:00、土 9:00−14:00)
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今は亡きレスリー・チャンの「覇王別姫」(日本語タイトルは、さらばわが愛)という映画をご覧になったことがありますか?京劇の役者達の人生なのですが、切なくて切なくて泣けます。そちらで英語のサブタイトルのDVDなどがレンタルできるようだったら、是非見てみてください。その映画を見てから私も京劇がとても好きになりました。